ノートパソコンの購入で失敗してしまうと、快適に作業できない・すぐに故障してしまうなど、後悔する恐れがあるため注意が必要です。
失敗を避けるためには、買ってはいけないノートパソコンの特徴を把握し、どのように選べばよいかを理解することが重要になります。
この記事では、避けるべきノートパソコンの具体的な特徴や、失敗しない選び方のコツなどを解説します。ノートパソコンの購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
買ってはいけないノートパソコン10選
買ってはいけないノートパソコンは、次のようなモデルです。
1.処理性能が控えめなCPUを搭載したモデル
2.メモリ容量が4GB以下のモデル
3.SSDではなくHDDのみ搭載しているモデル
4.大型で重すぎるモデル
5.バッテリー駆動時間が極端に短いモデル
6.無名メーカーの激安モデル
7.解像度が低すぎるディスプレイを搭載したモデル
8.保証がない・短い中古ノートパソコン
9.キーボード・タッチパッドが使いにくいモデル
10.将来的なOSアップグレードに対応していない可能性があるモデル
各項目の買ってはいけない理由について、詳しく解説します。
1|処理性能が控えめなCPUを搭載したモデル
CPUはパソコンの頭脳として機能し、すべての処理を統括するパーツです。CPU性能が低いとパソコンの起動に長い時間がかかったり、アプリケーションが突然停止したりします。
また、複数のソフトを同時に使用すると、処理が追い付かずに画面が固まってしまうこともあるでしょう。
特に、エントリーモデル向けの低消費電力CPUは、高負荷な処理には向きません。ただし、消費電力が低く静音性に優れているため、省エネ重視の用途には適している場合もあります。
快適にパソコンを使いたい方は、Intel® Core™ i3・AMD Ryzen™ 3以上のCPUを搭載したノートパソコンを選びましょう。さらに、同じシリーズでも世代によって性能が大きく変わるため、できるだけ新しい世代のCPUを搭載したモデルがおすすめです。
2|メモリ容量が4GB以下のモデル
メモリが4GB以下のノートパソコンは、快適に使うのが難しいため、購入は避けた方がよいでしょう。
メモリはデータを一時保存して処理速度を速くする役割を持ち、不足するとシステム全体の動作が重くなります。メモリ不足が深刻化すると、使用中のアプリケーションが固まったり、強制的に終了したりするため注意が必要です。
複数のWebブラウザのタブを開いたり、文書作成ソフトと表計算ソフトを同時に使用したりするだけでも多くのメモリを消費します。
Windows 11 の最小要件は4GBですが実用上の目安は8GBとなっており、4GBでは動作が不安定になりがちです。快適にWindows 11 を使用するためには、8GB以上のメモリを搭載したモデルをおすすめします。
3|SSDではなくHDDのみ搭載しているモデル
HDD(ハードディスク)は、SSD(ソリッドステートドライブ)と比較して読み書き速度が遅いストレージです。パソコンの起動やアプリの立ち上げ、ファイルの読み込みに時間がかかります。そのため、作業効率が低下しやすく、快適な操作感を求める方には適していません。
また、HDDは内部のディスクが回転する仕組みのため、落下などの衝撃で故障しやすく、データ消失のリスクも高いためおすすめできません。
さらに、回転による騒音・振動・発熱も発生し、静かな環境で作業したい方には不向きです。現在販売されている新品ノートパソコンの多くはSSDを標準搭載しており、HDDのみを搭載したモデルはほとんど見られなくなっています。
SSD搭載モデルを選び、容量が不足する場合は外付けHDDで補完するのがよい方法です。
おすすめの記事M.2 SSDとは?mSATAとの違いやPCle・NVMeとの関係などを解説
4|大型で重すぎるモデル
ディスプレイサイズが16インチを超える大型ノートパソコンは重量が1.5kg以上になることが多く、毎日の通勤や出張での持ち運びは負担が大きいです。モバイル用途を重視するなら、16インチを超えるモデルは持ち運びに不向きであり、選択肢としては慎重に検討すべきです。
ベゼルを除いた16インチのディスプレイサイズは横約35.4cm・縦約19.9cm(16:9の場合)で、A4サイズの横約29.7cm・縦約21.0cmを上回るため、一般的なビジネスバッグには収まりにくいでしょう。
持ち運び頻度に応じたおすすめの画面サイズは、次のとおりです。
・毎日持ち運ぶ場合:13インチ以下
・週数回持ち運ぶ場合:14~15インチ以下
・据え置きで使用する場合:16インチ以上
自宅やオフィスでの固定使用がメインであれば大型モデルでも問題ありませんが、モバイル用途を考えている方は慎重に検討しましょう。
5|バッテリー駆動時間が極端に短いモデル
外出先での作業が多い方には、バッテリー持ちが短いノートパソコンは不向きです。
実際に使用する際のバッテリー駆動時間は、カタログに記載されている時間より数時間短くなることが一般的です。
それを加味すると、バッテリー駆動時間が5時間未満のモデルで外出先での長時間作業に対応するのは難しいでしょう。ACアダプタを常に携帯しなければならず、電源コンセントがない場所での使用に制約が生じます。
モバイル用途で購入する場合は、アイドル状態で8時間以上の駆動時間を持つモデルがおすすめです。
また、省電力モードやバッテリー節約機能を搭載したモデルなら、さらに長い時間使用できる場合があります。
6|無名メーカーの激安モデル
一部の無名メーカー製ノートパソコンは、品質管理やサポート体制が不十分なことがあり、初期不良やトラブルに遭遇するリスクが高くなります。そのため、購入には注意が必要です。
故障が発生してもサポート窓口が存在しない、対応が遅い、修理用パーツの入手が困難などの問題が生じやすいでしょう。
また、正規ライセンスではないOSを搭載している場合もあり、セキュリティアップデートが提供されないリスクもあります。
一方、大手メーカーは厳格な品質管理と充実したアフターサポートを提供しており、安心して長期間使用できます。購入前には、次の項目を確認することが重要です。
・会社概要と事業実績
・サポート体制の詳細
・修理拠点の有無と場所
価格の安さだけで判断せず、信頼できるメーカーの製品を選択しましょう。
7|解像度が低すぎるディスプレイを搭載したモデル
HD解像度(1,366×768)のディスプレイでは、文字の輪郭がぼやけて見え、長時間の作業で目が疲れやすい傾向があります。また、作業領域が狭いため、複数のウィンドウを同時に表示することが難しいです。
さらに、フルHD(1,920×1,080)の動画を再生しても精細さを感じにくく、映像コンテンツを楽しむのに向いていません。下の表は、ノートパソコンで採用される解像度ごとの特徴を示しています。
| 解像度 | ピクセル数 | 特徴 |
| HD | 1,366×768 | 文字の精細感が低く作業領域が狭い |
| フルHD | 1,920×1,080 | 現在の主流でバランスがよい |
| WUXGA | 1,920×1,200 | フルHDより縦の表示領域が広い |
| WQXGA | 2,560×1,600 | 高精細で画像や動画編集に向いている |
フルHD以上の解像度なら、文字が鮮明に表示され快適に作業できるでしょう。
8|保証がない・短い中古ノートパソコン
中古ノートパソコンは販売店独自の保証が数ヶ月しかない場合や、保証なしで販売されることが多いためおすすめできません。
中古品は新品より故障率が高く、購入直後に不具合が発生するリスクが高いからです。バッテリーの劣化が進行している場合も多く、駆動時間が極端に短くなっていることもあります。
また、前所有者の使用状況が不明なため、内部パーツの劣化状況も判断できません。
安価なノートパソコンを購入したい場合は、中古品よりもBTOメーカーのエントリーモデルやメーカー直販のアウトレット品を検討するほうが安全です。これらの製品なら、新品同様の保証が付帯しています。
9|キーボード・タッチパッドが使いにくいモデル
キー配列が特殊だったりキーストローク(押し込みの深さ)が浅すぎたりするモデルは、操作しにくいため買ってはいけないノートパソコンといえます。
キー配列が特殊だとタイピングミスが頻発して作業効率が低下し、キーストロークが浅すぎると押した感覚がわからず騒音が大きくなりやすいです。
また、カーソルの動きが不正確、マルチタッチジェスチャーに対応していない、誤認識が頻発するなどのタッチパッドを搭載したモデルも使いにくいでしょう。
購入前に実機で操作感を確認したほうがよいですが、難しい場合はユーザーレビューや専門サイトの評価を調べることをおすすめします。
10|将来的なOSアップグレードに対応していない可能性があるモデル
Windows 10 のサポートは2025年10月14日に終了予定となっており、それ以降はセキュリティリスクが高まることが予想されます。長期間安全に使用するためには、Windows 11 を正式にサポートしたノートパソコンを選択することが重要です。
現在、Windows 10 を搭載しているノートパソコンを購入・検討している方は、将来的なアップデートの可否を含めて、Windows 11 への対応状況を確認しておくと安心です。
特に、Windows 11 にはTPM 2.0や対応CPUなどのシステム要件があり、これらを満たしていないモデルは、将来的にOSアップグレードができない可能性があります。
Windows 11 についてや、搭載パソコンをご紹介しています。ぜひ、チェックしてみてください。
買ってはいけないノートパソコンを避けるためのコツ
買ってはいけないノートパソコンを避けるためのコツは、次のとおりです。
・用途や目的を明確にする
・価格の安さに惑わされない
・スペックの見方を理解する
・信頼できる販売店で購入する
コツを押さえて、満足度の高いノートパソコンを購入できるようにしましょう。
用途や目的を明確にする
用途が曖昧だと、必要以上に高性能なモデルを選んでしまったり、逆に性能不足のモデルを購入してしまう恐れがあります。用途や具体的な作業内容をリストアップし、それぞれにどの程度のスペックが必要なのかを事前に調査しておきましょう。
動画編集であれば、使用したいソフトウェアや使いたい解像度、エフェクトなどを書き出し、どの程度のスペックが必要か明確にします。
また、将来的に用途や作業内容が変化することを考慮し、スペックに余裕を持たせることも重要です。数年後の使い方まで想定しておくと、長期間満足して使い続けられるノートパソコンを選択できるでしょう。
価格の安さに惑わされない
激安ノートパソコンは製造コストを削減するため、品質の低いパーツを使用している恐れがあります。スペックに対して価格が安く感じても、即決せずに細かな点を確認していくことが重要です。
たとえば、次のようなポイントを確認して総合的に判断しましょう。
・CPUの世代
・ディスプレイの品質
・Webカメラの有無
・インターフェースの充実度
・保証期間の長さ
・筐体の耐久性
・バッテリー駆動時間 など
価格だけで判断するのではなく、必要な条件を満たす性能・機能を備えた製品のなかで、できるだけ低価格なモデルを探すとよい結果が得られます。
スペックの見方を理解する
CPU・メモリ・ストレージ・グラフィックス(GPU)などの各パーツの役割や、実際の使用感に与える影響を理解することも重要です。
たとえば、CPUは処理速度を左右し、メモリは同時に処理できるデータ量に影響します。ストレージは起動速度やファイル読み込み速度を決定し、グラフィックス(GPU)は動画編集やゲームなどの快適さに関わるパーツです。
各パーツの性能がどのような作業に影響するかを把握しておけば、用途に合ったノートパソコンを選択できるようになります。
信頼できる販売店で購入する
信頼できる販売店の条件は、次のとおりです。
・所在地や連絡先が明確であること
・正規代理店であること
・十分な保証期間があること
・技術サポートが充実していること
・返品や交換対応などに柔軟に対応していること
オンライン購入の際は、販売店の評価や商品レビューの信頼性を十分に確認しましょう。実店舗での購入では、販売員の知識レベルや対応品質を確認し、安心して購入できるかを判断することが大切です。
不安がある方は、メーカーの公式サイトでの購入をおすすめします。
買ってはいけないノートパソコンを避ける!用途別のおすすめスペック
用途に応じて必要なスペックは異なるため、目安を把握しておくことが重要です。使い方に合うスペックを選択することで、コストを抑えつつ快適に作業ができるノートパソコンを見つけられます。
次の表は、用途別のおすすめスペックをまとめたものです。
| 用途 | CPU | メモリ容量 | グラフィックス(GPU) | ストレージ容量 | ポイント |
| 一般的なビジネス用途 | Core™ i3・Ryzen™ 3以上 | 8GB以上 | 内蔵GPU | 256GB以上 | 軽さやバッテリー持続時間を重視 |
| 動画視聴 | Core™ i3・Ryzen™ 3以上 | 8GB以上 | 内蔵GPU | 256GB以上 | ディスプレイ品質やスピーカー性能を確認 |
| 動画編集 | Core™ i7・Ryzen™ 7以上 | 16GB以上 | 専用GPU※ 専用GPU対応ソフトウェアを使用する場合 | 512GB以上 | CPUの性能やメモリ容量を重視。ディスプレイ品質も確認 |
| 3DCG制作 | Core™ i7・Ryzen™ 7以上 | 32GB以上 | 高性能な専用GPU | 1TB以上 | ワークステーション向けGPUが理想的 |
| プログラミング | Core™ i5・Ryzen™ 5以上 | 16GB以上 | 内蔵GPU | 512GB以上 | キーボード品質や複数ディスプレイ対応を重視 |
| パソコンゲーム | Core™ i7・Ryzen™ 7以上 | 16GB以上 | 高性能な専用GPU | 512GB以上 | 専用GPUの性能やリフレッシュレートの高いディスプレイが重要 |
表に記載したスペックは目安であり、具体的な作業内容によって必要な性能は変わります。購入前に使用するソフトウェアの推奨スペックを確認し、余裕を持ったスペック選択を心がけましょう。
買ってよかった!マウスコンピューターのおすすめノートパソコン3選
マウスコンピューターは自分好みにスペックをカスタマイズできるBTO(Build To Order)パソコンを販売しています。3年間の無償保証期間が付属(一部製品を除く)しており、対応機種は最長5年有償延長保証が可能です。ここからは、マウスコンピューターのおすすめノートパソコンをご紹介します。

